ユーロ圏の経済指標を使ってわかりやすく解説

経済指標

ユーロ圏(Eurozone)とは、ヨーロッパに存在する複数の国が共通の通貨であるユーロ(EUR)を使用し、経済的に結びついている地域を指します。ユーロ圏は、ヨーロッパ連合(EU)の一部であり、ユーロを正式な通貨として採用している国々で構成されています。主要な加盟国には、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャなどが含まれています。

それでは、ユーロ圏の経済状況を詳しく見てみましょう。

この記事では、過去2年間の経済データをもとに
現在のユーロ圏経済を客観的に分析します。以下は主な経済指標とその評価です。

うさぎ
うさぎ

経済の方を早速見てみましょう。

2年分の経済指標を基に現在のユーロ圏経済の状況を客観的に分析します。

この記事を読むと、ユーロ経済の状態がわかります。

結論と理由

指標最新
数値
評価理由
01.国内総生産(GDP)前年比0.5%× 成長していない
02.失業率6.4%歴史的に低く、人手不足
03.鉱工業生産指数-2.2%×悪化傾向
04.消費者信頼感-16%×
05.消費者物価(CPI)5.3%×適正値ではない
06.生産者物価(PPI)-7.6%×
07.賃金上昇率4.6%×高い
08.購買担当者景気(PMI)43.7×悪い
09.小売売上高-3.2%×
10.中央銀行政策金利4.50%×
11.為替1.070

【結論】
ユーロ圏経済は厳しい状況にあります。

【理由】
現在、ユーロ圏経済は厳しい状況にあります。その理由はいくつかあります。

まず、物価の急上昇が顕著で、欧州中央銀行が政策金利を4.5%に引き上げていることが挙げられます。この金利の高さはは2000年からだと3回目になります。

また、ユーロ圏には異なるインフレ率を持つ国があるため
一律の金利政策を適用するのが難しい状況です。
これにより、一部の国では中央銀行のインフレ対策が逆効果となる
減税政策の必要性が浮上しています。

【今後の推測】

経済指標は悪い傾向にありますが、物価上昇や人手不足により賃金が上昇しています。
ただし、生産者物価(PPI)がデフレになっており、これが将来の消費者物価(CPI)にも影響を及ぼす可能性があります。

また、人手不足によるコストの上昇がインフレ率の低下を阻害する可能性もあるため
今後の経済動向には不確実性が残ります。

1.GDP(国内総生産)

GDPは国の経済活動全体の価値を示す指標です。

国内で生み出されたすべての商品やサービスの総額を表します。

GDPの成長率は、経済の健全性を示す重要な要因です。

データ表(クリック)
5期間前期比前年比
19Q10.4%1.2%
19Q20.2%1.2%
19Q32.0%1.2%
19Q40.1%1.0%
20Q1-3.6%-3.1%
20Q2-11.8%-14.7%
20Q31.5%-4.3%
20Q4-0.7%-4.9%
21Q1-0.3%-1.3%
21Q22.2%14.3%
21Q32.2%3.9%
21Q40.3%4.6%
22Q10.6%5.4%
22Q20.8%4.1%
22Q30.3%2.3%
22Q40.0%1.8%
23Q1-0.1%1.0%
23Q20.1%0.5%

特に新型コロナウイルスの影響を受け、GDP成長率は一時的に-14.7%と低下しました。

その後、成長が回復しましたが、現在は0.5%と成長が鈍化しています。

コロナ前の水準を下回り始めており、今後の動向に注目が必要です。

2.失業率

失業率は、労働力人口のうち雇用されていない割合を示します。
経済の景気や雇用状況を把握するための重要な指標です。

失業率の一般的なガイドラインとして
経済学的には4%から6%の範囲内が「自然失業率」と呼ばれる適正な水準です。
自然失業率は、労働市場が健全な状態で、失業が構造的な要因によるものである水準を指します。
ただし、国や地域によって失業率の基準は異なるため、単純な数値だけで評価するのは難しいです。

データ表(クリック)

期間数値期間数値期間数値
21/18.222/16.923/16.7
21/28.222/26.823/26.6
21/38.222/36.823/36.5
21/48.222/46.723/46.5
21/58.122/56.723/56.5
21/67.922/66.723/66.4
21/77.722/76.723/76.4
21/87.522/86.723/8 
21/97.322/96.723/9 
21/107.222/106.723/10 
21/117.122/116.723/11 
21/127.022/126.723/12 

【最近の傾向】
近の失業率は継続的に減少しており、ユーロ圏全体で歴史的に低い水準にあります。

失業率が低いことは景気が好調であることを示しますが
同時に人手不足が賃金の上昇に寄与している可能性があることにも注意が必要です。

3.鉱工業生産指数

鉱工業生産指数(Industrial Production Index)は
ある国や地域内で製造業や鉱業などの産業部門で
生産される商品やサービスの総量の変動を示す経済指標です。

この指数は、特定の時間期間内における産業生産の変動を定量的に表現するために使用されます。

データ表(クリック)
期間前月比期間前月比期間前月比
21/10.122/1-1.323/10.9
21/2-1.622/22.023/22.0
21/310.922/3-0.823/3-1.4
21/439.322/4-2.023/40.2
21/520.522/51.623/5-2.2
21/69.722/62.423/6-1.2
21/77.722/7-2.423/7-2.2
21/85.122/82.523/8 
21/95.222/94.923/9 
21/103.322/103.423/10 
21/11-1.522/112.023/11 
21/121.622/12-1.723/12 

【最近の傾向】

鉱工業生産指数は21年4月に急上昇しましたが
その後は横ばいやマイナスの成長が続いています。

この動向から、ユーロ圏の経済は低迷している可能性が考えられます。

4.消費者信頼感

消費者が経済や個人的な財政状況に対する期待や信念を表す指標です。

消費者信頼感は経済の健全性や将来の経済見通しに
対する消費者の感じ方を示す重要な指標のひとつです

データ表(クリック)
期間数値期間数値期間数値
21/1-15.522/1-8.523/1-20.9
21/2-14.822/2-8.823/2-19.0
21/3-10.822/3-18.723/3-19.2
21/4-8.122/4-22.023/4-17.5
21/5-5.122/5-21.123/5-17.4
21/6-3.322/6-23.623/6-16.1
21/7-4.422/7-27.023/7-15.1
21/8-5.322/8-24.923/8-16.0
21/9-4.022/9-28.823/9 
21/10-4.822/10-27.623/10 
21/11-6.822/11-23.923/11 

【最近の傾向】

最近のデータからは、消費者信頼感が低下していることがわかります。
特に22年7月には-27.0という大幅な低下がありましたが
その後はゆるやかに回復傾向にあります。これは経済の改善を示唆しています。

5.消費者物価指数(CPI)前年比

CPIは、一般消費者が購入する商品やサービスの価格変動を示す指標です。

物価の動向を把握するために重要です。

エネルギーと生鮮食品の価格変動の影響を除いた指数がコアインフレ率です。

データ表(クリック)
期間CPIコア期間CPIコア期間CPIコア
21/10.91.422/15.12.323/18.55.2
21/20.91.122/25.82.723/28.55.6
21/31.30.922/37.53.023/36.95.7
21/41.60.822/47.53.523/47.05.6
21/52.00.922/58.13.823/56.15.3
21/61.90.922/68.63.723/65.55.4
21/72.20.722/78.94.023/75.35.5
21/83.01.622/89.14.323/85.35.3
21/93.41.922/910.04.823/9
21/104.12.122/1010.75.023/10
21/114.92.622/1110.05.023/11
21/125.02.622/129.25.223/12

【最近の傾向】

CPIは22年10月に前年比10.7%と急上昇しましたが
その後は緩やかに収まっています。

最近のデータは依然として高水準ですが
これからは収束傾向に向かっていると考えられます。

6.生産者物価指数(PPI)

生産者物価指数(Producer Price Index、PPI)は、生産者が商品を生産する際に使用する原材料や資源の価格変動を示す指標です。つまり、商品を作るために必要な物資の価格がどれだけ変動しているかを示すものです。PPIは生産者側の物価動向を反映しており、私はCPIの先行指標にもなると考えています。

データ表(クリック)
2021年前月比前年比2022年前月比前年比2023年前月比前年比
21/11.40.022/15.230.623/1-2.815.0
21/20.51.522/21.131.423/2-0.513.2
21/31.14.322/35.336.823/3-1.65.9
21/41.07.622/41.237.223/4-3.21.0
21/51.39.622/50.736.323/5-1.9-1.5
21/61.410.222/61.135.823/6-0.4-3.4
21/72.312.122/74.037.923/7-0.5-7.6
21/81.113.422/85.043.323/8  
21/92.716.022/91.641.923/9  
21/105.421.922/10-2.930.823/10  
21/111.823.722/11-0.927.123/11  
21/122.926.222/121.124.623/12  

【最近の傾向】

PPIは22年8月に前年比43.3%と大幅な上昇を記録した後、急激に下落しました。

最新のデータはマイナスに転じており、これがCPIに影響を与え
インフレの収束に寄与する可能性が考えられます。

7.賃金上昇率

賃金上昇率は、労働者の賃金が特定の期間内でどれだけ上昇しているかを示す指標です。これは労働市場の健全性を評価する重要な要素の一つであり、労働者の経済的な状態を理解するためにも利用されています。

データ表(クリック)
期間賃金上昇率
21Q10.9
21Q2-0.6
21Q32.1
21Q42.1
22Q13.0
22Q24.6
22Q32.7
22Q45.3
23Q14.9
23Q24.6

【最近の傾向】

ータを見ると、コロナ前の水準(約2%)を上回る高水準にあります。
具体的には、2021年第3四半期(21Q3)から上昇が始まり
2022年第3四半期(22Q3)には5.3%というピークに達しました。

その後、ゆるやかに安定傾向にあります。

8.PMI(購買担当者景気指数)

PMIは、製造業やサービス業の景気を示す指標です。

50を超えると景気が拡大していることを示し、50未満だと縮小を示します。

データ表(クリック)
2021年製造業サービス業2022年製造業サービス業2023年製造業サービス業
21/154.745.422/159.051.123/148.850.8
21/257.745.722/258.455.523/248.552.7
21/365.449.622/357.055.623/347.155.0
21/463.050.522/455.357.723/445.556.2
21/562.855.222/554.456.123/544.655.1
21/663.158.322/652.053.023/643.652.0
21/762.659.822/749.651.223/742.750.9
21/861.559.022/849.749.823/843.747.9
21/958.756.422/948.548.823/9  
21/1058.554.622/1046.648.623/10  
21/1158.655.922/1147.348.523/11  
21/1258.053.122/1247.849.823/12  

【最近の傾向】

2022年7月から、製造業のPMIが50を下回り、最新のデータでは43.7と低水準で推移しています。

同様に、サービス業のPMIも直近のデータで50を下回りました。

この情報から、景気状況が悪化している可能性が高いことが示唆されています

9.小売売上高

小売売上高は、小売業の売り上げ額を示す指標です。

消費者の支出傾向を示し、景気の動向を知る手がかりとなります。

データ表(クリック)
2021年前月比前年比2022年前月比前年比2023年前月比前年比
21/1-5.9 %-6.4 %22/10.27.823/10.3-2.3 %
21/23.0-2.9 %22/20.35.023/2-0.8 %-3.0 %
21/32.712.022/3-0.4 %0.823/3-1.2 %-3.8 %
21/4-3.1 %23.922/4-1.3 %3.923/40.0-2.6 %
21/54.69.022/50.20.223/50.0-2.9 %
21/61.55.022/6-1.2 %-3.7 %23/6-0.3 %-1.4 %
21/7-2.3 %3.122/70.3-0.9 %23/7-0.2 %-1.0 %
21/80.30.022/8-0.3 %-2.0 %23/8  
21/9-0.3 %2.522/90.4-0.6 %23/9  
21/100.21.422/10-1.8 %-2.7 %23/10  
21/111.07.822/110.8-2.8 %23/11  
21/12-3.0 %2.022/12-2.7-2.823/12  

【最近の傾向

2021年4月に前年比23.9%と高い数値を記録した後、小売売上高は急速に減少しました。

1年前からのマイナス成長が続いており、コロナ前の水準に戻ろうとしていることがわかります。

10.中央銀行政策金利

中央銀行政策金利は、中央銀行が設定する金利のことです。

金利の変動は経済全体に大きな影響を与えます。

データ表(クリック)
2021年政策金利2022年政策金利2023年政策金利
21/10.00%22/10.00%23/12.50%
21/20.00%22/20.00%23/23.00%
21/30.00%22/30.00%23/33.50%
21/40.00%22/40.00%23/43.50%
21/50.00%22/50.00%23/53.75%
21/60.00%22/60.00%23/64.00%
21/70.00%22/70.50%23/74.25%
21/80.00%22/80.50%23/84.25%
21/90.00%22/91.25%23/94.50%
21/100.00%22/102.00%23/10 
21/110.00%22/112.00%23/11 
21/120.00%22/122.50%23/12 

【最近の傾向】

2022年7月から中央銀行は利上げを開始し、政策金利は年間で増加しています。

しかし、景気はこの水準で悪化しており

過度な利上げは経済に悪影響を及ぼす可能性があることに留意する必要があります。

11.為替

ユーロ/ドルの推移です。

データ表(クリック)
期間ユーロ/ドル前月比
21/11.21940.67%
21/21.205-1.21 %
21/31.192-1.02 %
21/41.1970.39%
21/51.2171.70%
21/61.211-0.52 %
21/71.187-1.98 %
21/81.179-0.66 %
21/91.1810.16%
21/101.156-2.10 %
21/111.1570.04%
21/121.132-2.17 %
22/11.1350.33%
22/21.1360.06%
22/31.091-3.98 %
22/41.088-0.30 %
22/51.055-2.99 %
22/61.052-0.34 %
22/71.009-4.07 %
22/81.0180.93%
22/91.004-1.39 %
22/100.974-2.97 %
22/111.0356.27%
22/121.0531.72%
23/11.0641.08%
23/21.0680.29%
23/31.064-0.30 %
23/41.0902.39%
23/51.1021.10%
23/61.075-2.45 %
23/71.0972.05%
23/81.094-0.21 %
23/91.070-2.24 %

【最近の傾向】

2021年はユーロ安ドル高の傾向が見られましたが
その後、ドル高がピークに達したことから、ユーロはコロナ前の水準に戻りつつあります。

経済指標からは、米国よりもユーロの方が相対的に弱いと考えられ
インフレが収束するか、経済が急速に悪化する場合、ユーロ安の進展が予想されます。

最後に

この記事は、ユーロ圏の経済の分析を通じて経済指標に関する情報を提供しておりますが
投資に関する意思決定においては、ご自身の判断とリスクを理解した上
行動されることを強くお勧めいたします。

経済指標は経済の健全性を示す手がかりではありますが
経済や投資に関する情報は常に変動する可能性がありますので
最新の情報を入手し、慎重な意思決定をお願いいたします。

うさぎ
うさぎ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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